3.私のこと。私の夢
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私はこんな子どもでした
私の父は洋画をよく観ていた人で、戦争映画とミュージカル映画が好きでした。そんな影響からか子どもの頃の私はミュージカル映画が好きで、将来はミュージシャンになるんだと思っていました。しかし音大に見事落ちまして(笑)いかに自分に才能がないかということが分かりました。それからピアノは一切やっていません。ちなみに中学・高校時代は海外脱出を企み、両親に反対され頓挫。何をやっても中途半端、「自分を売ることができる突き抜けた才能が何かないのか?」ともがく若さゆえの葛藤がありました。結局それがないというのが分かり……。
22歳の時に知人の紹介でITベンチャーの起業にスタッフとして参加させてもらいました。「面白そうだから行ってみよう」くらいの軽い気持ちです。入ってみるとプログラミング、インストラクター、経理など全部をすることになりまして、初めての体験に「会社とはそういうものなんだ」と納得しました。そして24歳で独立しました。
結局今はミュージカル映画の方向ではなく、戦争映画の方向へ行ったようです(笑)。当時父と一緒に映画を観ていても、戦略会議や参謀人事などに興味がある変な子どもでした。
人は面白い。刺激を自分に落とし込む
新しい事業を始める際、正直に申しますと利益より人との出会いが一番面白い。それぞれの分野のプロの方とお会いして、一緒に仕事をし、自分の中に落とし込んでいくのです。話を聞くだけではなかなか自分のものにはなりませんから。
会社のコンセプトとして「for Living Well」と申しましたが、各ブランドのコンセプトとして「eduvita」と「horeca」があります。Eduvitaとはeducation(教育)+vita(人生)。人間は何万年も前からずっと進化をしてきて、生まれてきたDNAは素晴らしい状態なのに、色んな「負け体験」や教育によって歩みが止まってしまうだけで、元々は素晴らしいもの。それをどうスイッチを入れ、人を引き上げていくかだけだと私は思います。一方Horecaは自己重要感です。
私は事業を通して、人のディレクションやプロデュースに努力をします。人は進化し、何を望み悩み、何のために頑張ろうとしているのか。皆本質は素晴らしいのに、なんでこうなるのか。これらを、人を少しでも分かって「for Living Well」に貢献していきたいと考え続けています。
求めるのは「ベクトルの一致」
会社は経営者にとっての夢の箱。ただ、人が二人集まるとそれは組織となり、経営者だけのものではなくなります。組織には必ず目的と理由が存在し、それは「楽しもうね」「予算は幾らで」など何でもいいです、ルールが決まります。その延長線上が会社です。「この指とーまれ」と社長が言うことが求人で、同じような事をやりたい、一緒に夢に向かって頑張りたいというのが就職すること。だから、就職する人が会社と同じ方を向いていないというのは、ありえない。ベクトルの一致を私どもの会社は求めます。入社を希望する人には何回も話しています「あなたのベクトルはそれでいいの?」と。
ベクトルの一致を目的に、社員全員参加の決算会議を年に一度必ず行います。1年間を振り返り、次期はどういう方向で行くかについて各事業部が話をします。それによりベクトルが統一され事業部同士は非常に仲が良い会社だと思います。
人生の差は選択の差
個々人は自ら求め考え実行することが大事で、人から強制された努力と比べると数倍の差が出ます。本人が求める姿勢になるために、社員教育には何ヶ月も時間をかけ力を注いでいます。教育って掛け算ですから、本人が小さくても求めているのであれば、教育する人の力量によっては掛け算式に大きくなっていくのです。
教育も研修も評価も、いかにその子に課題を与え育てていくかということが会社のポイントになりますが、人生の差とは努力の差ではなく「選択」の差だと思います。例えば「明日でいいや」ではなく「今日のうちにやっておこう」というのも一つの選択です。
努力せずに幸せになっているように見える人も世の中にはいますよね。努力していないように見えても、その人は必ず選択しているのです。選択のための直感は知識の集大成。実はこれまでに何かで勉強していたとか、頭の中で良いイメージを描いていたとか、何かをしているんです。
私が新しい事業を始める選択をする前には、ジャッジをする前に準備をします。調べて、情報を得て、結構寝かすんです。最初に色々と考えてアンテナを立てておくと「今行く時かな」「今その道の人と出会ったな」という時が訪れます。やろうとしている事が時代に乗っているかどうか、だんだん詳しくなってきます。それでもどうしても分からない、ということは「まず小さくやってみるか」という選択を取ることもなきにはないのですが。
私が他の事業展開も選択した理由は、「よりよく生きること」のサポート事業を展開していくんだと元々考えていたためです。私の中では「次に何かやらなければならない」というのはマストなことで、それは成功させなければならないし、成功するんだという思い込みがありました。若さゆえだと思っていただきたいです。
私にこれまで訪れたピンチ
これまでの困難を聞かれることはよくありますが、他事業を始めるにあたり困難があることは当たり前だと思っています。「なかなか手ごわいな」程度にしか思っておらず、どっちかというと恐れはありません。私は開拓していくことが性に合っているんだと思います。
未来って想像すると怖い。「失敗したらどうしよう」とまず思ってしまいがちですが、考えていただきたいのは「自分が思った未来が来たことがありますか?」ということ。思った通りの未来なんて絶対来ないんですよね。とは言え自分が少しでも前向きに動いたら、懸念していたマイナス材料を全部払拭することができます。上手くいくはずなんです、ちゃんと動けば。
今はこう言っておりますが、私実はシャイで怖がりな性格の持ち主です。FOOD事業を始める際、初めて東京に行った際はとても緊張していました。飲食界の偉大な経営者さんに今すごく大事にしてもらっているのですが、当時はお会いするのが怖くて怖くて。やっぱり最初は怖いです。怖いけど、やりたいことの方が勝ってしまいます。楽しいからやりたいっていうのが一番だったと思います。
私の仕事はスタッフとの「夢の競争」
私どもは感動をブランディングしているサービス業ですので、まず自分が感動しないと人に伝えられません。ですので皆を感動できる場所や人の元へ連れていってあげたいと思っています。人は喜び・悲しみなど色んなことと触れ合って、自分が弱いと気づいた時に弱い人の気持ちが分かります。優しさ、笑顔、誠実さなど、人との関係を築く中で得られる財産はたくさんあります。
私どもは「for Living Well」をテーマにしていますので、出会いによっては「Change Your Life」「Change My Life」と繋がることもあります。出会いはワンチャンスですので一つの出会いに本気で当たることが必要なのです。
そのマインド部分の教育に普段から時間をかけるようにしている会社ということを最後にお伝えしておきます。私もまだまだ道半ばで、色んな方と出会い教えてもらいながら、まだまだ自分なりにとことん勉強している最中です。
私の仕事というのは、雇った子たちと夢の競争をすること。会社の中で良いステージがなければ、ある程度能力がある子は自分で夢を描いて出て行ってしまいます。その子が描いた夢の舞台以上に魅力的なステージを会社が用意できるかどうかが大事です。そのためには、常に前へ出てステージを作り続けないといけません。ミュージカル映画が好きだった私が音楽のステージへ行けず、経営者を選んでしまったということで今日このような思いに至っています。ご静聴ありがとうございました。
〜End〜
Chica’s VOICE
いかがでしたでしょうか?子供を育てる中で、地域活性化や、経営を考える中で、“人育て”の重要性を深く感じています。そんな中で、福政さんはそこに長けておられたのではないか?と推察しています。今はまだ、うまく言葉にはできませんが、これから経験を積み、福政さんが歩まれた道中、何を見て、何を感じて経営をされていたのか?を体験していきたいと思っています。また、スタッフの皆様たちと、どんな“夢の競争”をされていたのか?想像することしかできませんが、福政さんが見るはずだった世界を目指し、社会に少しでもお役に立てるように歩みたいと思っています。
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